岡山大学附属中学校(岡大附属中)の入試算数では、基礎の定着から応用力の養成までを段階的に問うような、計算問題から文章題、記述式まで幅広い問題が出題されます。基礎力はもちろん、応用的な問題に対応できる力=「算数の応用力」をしっかり鍛えておくことが合格への鍵です。とはいえ、「応用力」と一口に言っても、文章題への対応力や複雑な問題を解くテクニック、幅広い単元の知識など様々ですよね。
そこで今回は、中学受験初心者の親御さんにも分かりやすいように、岡大附属中を目指す小6生の算数応用力強化に役立つ問題集を5冊厳選してご紹介します。それぞれ書名(出版社)と特徴、岡大附属中の入試傾向に合っている理由、おすすめの使い方をまとめました。いずれも信頼できる定番教材で、使い方次第でお子さんの算数力アップに大いに役立ちますよ。
1. Z会グレードアップ問題集 小学6年【算数文章題】(Z会)
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特長: 「教科書レベルでは物足りない」という子向けにZ会が提供するハイレベル問題集です。中学入試の内容も含んだ“教科書+α”の文章題に取り組めるのが魅力。日常生活の場面を題材にした問題が多く、文章を読み解きながら式を立てる力を養えます。単なる計算力だけでなく、問題文の読解力や発想力も鍛えられるため、算数が「考える教科」であることを実感できる内容です。
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入試傾向に合う理由: 岡大附属中の入試では文章題を含む応用問題が頻出と考えられます。身近な題材のハイレベル問題に触れて読解力+思考力を磨いておくことで、応用問題への対応力が向上します。実際に教科書範囲を超えた発展問題にも挑戦できるため、幅広い難易度の問題が出る岡大附属中の傾向にもマッチします。
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おすすめの使い方: 基礎的な問題集を一通り終えたら、この問題集で応用力強化に取り組みましょう。週に数回、1日1〜2問のペースで文章題に挑戦し、解説を読んで理解を深めます。難しい問題に最初は戸惑うかもしれませんが、親御さんと一緒に状況を図に描いてみるなど工夫すると理解しやすいでしょう。教科書の内容はほぼ理解している子や、普段から算数が得意でさらに挑戦したい子に特におすすめです。
2. 中学入試 算数 塾技100【新装版】(文英堂)
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特長: 大手進学塾で教わるような入試頻出の解法パターンを網羅した問題集です。難関中学入試で必要となる100の「塾技(テクニック)」をこの1冊にまとめており、典型的な解法パターンを効率よく習得できます。各単元ごとに要点が整理され、例題→類題演習→入試問題へのチャレンジという構成で実戦力を養えるのも魅力です。難しい問題もパターン化して考えられるようになるので、算数の応用問題に自信がつきます。
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入試傾向に合う理由: 岡大附属中の入試でも、割合や速さ、図形問題など定番の応用問題が出題される可能性があります。塾技100で頻出パターンを押さえておけば、「見たことがない問題で手が止まる」という事態を防げるでしょう。実際の入試問題を素材にした良問が多く、パターン学習によって入試本番での得点力アップに繋がります。岡大附属中レベルの問題であれば、習った解法テクニックを組み合わせて対応できるはずです。
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おすすめの使い方: 5年生修了~6年生前半にかけて、この問題集で解法パターンを順にマスターしていきましょう。1日1テーマ(1〜2ページ程度)を目安に、まず解説を読みパターンを理解→類題で練習→巻末の入試問題にチャレンジ、というステップがおすすめです。重要なのは解説をしっかり読み込むこと。解法のコツや着眼点が丁寧に説明されていますので、「なぜその解き方になるのか」をお子さんと一緒に確認しましょう。難易度は高めなので、基礎が固まって算数が比較的得意なお子さん向きです(算数が苦手な場合は無理せず他の基礎教材で土台固めを優先してください)。
3. 算数文章題ギガドリル 小学6年(文英堂)
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特長: とにかく大量の文章題を解いて鍛えるタイプのドリルです。6年生で学ぶ文章題の内容を全64回分収録しており(このうち総復習用4回)、「この1冊で1年分の文章題をたっぷり学べる」ボリュームが魅力。特徴的なのは2ステップ学習で、各回の「表面」はヒント付き・穴埋め形式で解き方を誘導し、「裏面」で同じ問題をヒントなしで解き直す構成になっています。ヒントを見て考え方を掴み、ヒントなしで再挑戦することで、文章題を解く力が無理なく身につきます。大判サイズで書き込みやすく、答え合わせはQRコードでスマホから素早くできる工夫も嬉しいポイントです。
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入試傾向に合う理由: 応用力強化には豊富な演習量が欠かせません。岡大附属中の算数でも、文章題でしっかり得点するには多くの問題に当たってパターンに慣れておく必要があります。本書は文章題特化ドリルなので、文章題が苦手なお子さんでも量をこなす中で「文章を読む→式を立てる」流れに慣れることができます。「少し難しい文章題に挑戦し、基礎を活かした応用力を養う」教材として最適です。過去に文章題でミスが目立ったり、時間がかかりすぎたりする子には特に効果的でしょう。
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おすすめの使い方: 夏休み頃から入試直前までの長期計画で、このドリルを仕上げていくのがおすすめです。1回分(表裏2ページ)の問題を毎日1回ペースで解けば、約2ヶ月で一周できます。一周目は表面のヒントを活用しながら解法を理解し、二周目で裏面を解き直すとより定着します。最初はヒントなしでは解けなくても心配いりません。「解き方の型」を体で覚えるつもりで何度も反復しましょう。文章題が苦手なお子さんでも、「穴埋め→自力解答」のステップで成功体験を積めば自信がついてきます。親御さんは丸付けや解説チェックをサポートしつつ、できたところをしっかり褒めてあげてくださいね。
4. 小学高学年 自由自在 算数(増進堂・受験研究社)
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特長: 中学受験の定番シリーズ「自由自在」の算数参考書です。基礎から難関中学入試レベルまで網羅した解説と問題が収録されており、計算から図形、速さ・グラフなど幅広い出題範囲を漏れなくカバーしています。各単元とも基本的な内容の解説から始まり、標準問題→発展問題→最難関レベルの問題へと段階的に学習できます。分厚い一冊ですが解説が簡潔でわかりやすいと評判で、辞書的に調べ学習するのにも、自学自習で読み進めるのにも適した一冊です。まさに算数の「総合力」を鍛えることができるでしょう。
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入試傾向に合う理由: 岡大附属中の入試問題は、公立中高一貫校ほど特殊ではないものの幅広い単元からバランスよく出題されると考えられます。本書で小学校算数の全分野を網羅的に学習しておけば、「習っていない種類の問題が出た…!」と慌てる心配も減ります。実際、「地方の私立中受験には最適」といった声もあるように、難しすぎず易しすぎずの絶妙な難易度で岡大附属中レベルの問題に対応できる力を養えるはずです。応用力の土台となる基礎概念の深い理解も、この一冊でしっかり身につけられます。
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おすすめの使い方: 自由自在はボリュームがあるので、目的を絞って活用するのがおすすめです。例えば苦手単元の克服に使うなら、該当単元の解説→基本問題から始め、可能であれば応用問題にも挑戦しましょう。入試まで時間がある場合は毎日少しずつ読み進めて全単元を制覇しても良いですね。「なぜそう解くのか」を理解することに重点を置いて、例題の解説をお子さんと一緒にじっくり読むと効果的です。問題集というより参考書に近い立ち位置なので、他の問題集で解けなかった問題の解説を調べるのにも役立ちます。1冊手元にあると安心できる心強い一冊でしょう。
5. 中学入試 でる順過去問 算数文章題 合格への368問(旺文社)
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特長: 全国の中学入試問題を徹底分析し、頻出度順(でる順)に並べて収録した過去問集シリーズです。入試によく出る重要問題から優先的に学習できるので効率的。算数文章題では、割合や速さ、規則性、数の性質など頻出分野ごとに合計368問(四訂版)を掲載。各分野とも基本的な問題から入って段々レベルアップするステップ式構成で、無理なく実力がつきます。解答解説も丁寧で、問題ごとにポイントが整理されているため復習用にも便利です。自宅で入試レベルの良問を豊富に演習できる一冊として人気があります。
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入試傾向に合う理由: 岡大附属中を含む中堅〜難関校の算数では、まさに本書で頻出上位に挙がっている「割合」「速さ」「規則性」「場合の数」などの文章題が数多く出題されます。本書を使って頻出分野を重点的に演習すれば、岡大附属中の入試問題でも頻出テーマを落とさず得点源にできるでしょう。「でる順1位」のテーマから順に学習すれば抜けモレなく効率的ですし、様々な学校の過去問に触れることで問題に対する応用力・適応力も鍛えられます。
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おすすめの使い方: 秋〜冬にかけての仕上げ期に、この過去問集で総点検するのがおすすめです。頻出テーマごとに問題がまとまっているので、例えば苦手な「速さ」の単元を集中的に解き直すといった使い方もできます。一通り解き終えたら、間違えた問題に印を付けて2周目・3周目で克服しましょう。解説が詳しいので、親御さんも目を通して「どのポイントでつまずいたのか」「どんな別解があるか」など話し合ってみてください。過去問とはいえ古すぎるものはなく比較的最近の良問が揃っているため、入試直前の総仕上げにもピッタリです。
以上、5冊の問題集をご紹介しました。それぞれアプローチや得られる効果が異なるので、お子さんの現在の力や弱点に合わせて選択・併用するとよいでしょう。
岡大附属中の算数入試では、基本がしっかり身についていることを前提に応用問題で実力が試されます。まずは学校教科書や基礎ドリルで土台を固めつつ、今回紹介したような応用力トレーニング用の問題集にもぜひチャレンジしてみてください。問題集に取り組む中で「できなかった問題」が出てきたら成長のチャンスです。その都度解説を読み込み、類題を練習して、自信を持って本番に臨めるよう応援しています!頑張るお子さんと支える親御さんを心からサポートする一助になれば幸いです。💪✨