過去数年の志願倍率(年度別)
岡山大安寺中等教育学校は、近年 志願倍率(受験者数/募集定員)が毎年およそ3倍前後で推移しています。特に県内の公立中高一貫校4校の中でも志願倍率が最も高い傾向にあります
。年度別の志願倍率の目安は以下の通りです。
- 2021年度(令和3年度入試):約3.1倍(募集160名に対し志願者495名)
- 2022年度(令和4年度入試):約3.2倍(前年より0.1ポイント上昇)
- 2023年度(令和5年度入試):約3.0倍(募集160名・志願者480名)
- 2024年度(令和6年度入試):約3.0倍(募集160名・志願者473名)
- 2025年度(令和7年度入試):約2.5倍(募集160名・志願者404名)
最新の2025年度入試では志願倍率2.5倍とやや低下しましたが、それでも募集定員160名に対し400名超が出願しており依然高倍率です。
合格最低点・平均点の目安
合格最低点や平均点は公表されていません。岡山県教育委員会や学校から公式に発表される入試結果にも、合格最低点に関する項目は設けられておらず空欄になっています
。そのため正確な数値は不明ですが、適性検査の難易度や受験者の声から推測すると、適性検査I・IIの合計で6割台後半(約120~140点/200点満点換算)を得点できれば合格圏内と考えられますとの声もあります(※公式発表ではなく受験関係者の目安)。なお、公立中高一貫校の選抜では適性検査の得点に加え、小学校での成績などをまとめた調査書も考慮されるため、筆記試験の得点だけで合否が決まるわけではありません。面接も含めた総合評価で選抜されることに留意してください。
試験科目や出題傾向の特徴
岡山大安寺中等教育学校の入試科目は、他の県立中高一貫校と同様に「適性検査I」「適性検査II」と「面接」です 。それぞれ45分間の筆記試験が2科目行われ、その後に集団面接が課されます 。一般的な教科別学力テストではなく、小学校で学ぶ内容を土台に総合的な思考力・表現力を見る適性検査となっている点が特徴です。
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適性検査I:算数的分野・理科的分野を融合した問題が出題されます。例年大問3題構成で、計算問題や図形問題など算数分野2題と、実験考察など理科分野1題という構成が頻出です。身の回りの事象や自然現象を題材にした問題が多く、計算結果や科学的理由を記述で説明させる設問が多いことが特徴です。単に公式や知識を暗記するだけでなく、原理を理解し自分の言葉で簡潔に説明できる力が求められます 。
適性検査II:言語的分野・社会的分野を融合した問題です。大問3題構成で、読解問題が1題、約200字の作文(記述)問題が1題、資料(グラフや表)の読み取り問題が1題という形式が典型的です。日常生活や社会的事象に関する文章やデータが題材となり、与えられた情報を分析して自分の意見やまとめを記述する問題が出題されます。全設問が記述形式と言ってよいほど記述量が多く、文章読解力だけでなく要点をまとめる表現力が問われます。
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面接:先生2名と受検生グループ(例年6~8人程度)による集団面接が行われます。内容は受検番号・氏名の自己紹介の後、簡単な質問やテーマに対する意見発表などが課されることが多いようです。岡山県立中高一貫校の面接は評価はするものの得点化はされない(調査書に参考として記載)方式ですが、受検生の意欲や協調性を見る重要な機会です。緊張して発言できないと評価に影響する可能性もあるため、自分の意見をはきはき述べる積極性を日頃から意識しておきましょう。
難易度(偏差値や全国的なレベルとの比較)
難易度(偏差値)は、公立中高一貫校としては非常に高い水準です。進学塾などが公表する模試偏差値では60~64程度とされ、同じ県立中高一貫校の岡山操山中学校と並んで県内トップクラスの難易度です。例えば地元塾の偏差値一覧では、岡山大安寺中等・岡山操山中がともに偏差値63とされ、国立の岡山大学附属中(偏差値61)や難関私立中(就実特別進学コース等)より高位に位置付けられています。
全国的に見ても岡山大安寺中等の難易度は高く、共学校の中等教育学校偏差値ランキングでは全国5位(偏差値64)にランクされています。首都圏のトップクラス公立中高一貫校(例:東京都立小石川中等教育学校〈偏差値70〉など)には及ばないものの、偏差値60台半ばという数字は全国的にも上位グループに属します。したがって岡山県内のみならず全国的に見ても難関校といえるレベルであり、十分な対策準備が必要です。
合格のための対策・勉強法アドバイス
岡山大安寺中等教育学校の入試に合格するには、適性検査型の問題への慣れと記述力の養成が鍵となります。以下に効果的な対策ポイントをまとめます。
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過去問演習で出題傾向を把握:適性検査は独特の形式のため、複数年分の過去問演習が重要です。身近な現象を題材にどう問われるか、資料を使った記述問題がどのように出題されるかを、過去問を通じて傾向と形式をつかんでおきましょう。
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記述力・表現力を鍛える:適性検査Iではなぜそうなるかを説明する練習、適性検査IIでは文章や資料の要点をまとめ自分の意見を書く練習が必要です 。公式や語句を暗記するだけでなく、原理原則を理解して自分の言葉で説明できるようにしましょう 。また、200字程度の作文練習を繰り返し、決められた字数で論旨が通る文章を書く力を養ってください。
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時間配分と問題選択:適性検査では制限時間45分で大量の記述を要する問題に取り組むため、時間内に解答をまとめ上げる訓練が不可欠です。日頃から過去問演習や模擬テストで時間を計り、解ける問題と難しい問題を見極めて優先的に解答する練習を積みましょう。限られた時間でミスなく解答を仕上げる処理能力を高めることが大切です。
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面接対策:面接はグループ形式で行われるため、模擬面接を通じて集団面接の雰囲気に慣れておくことが有効です 。友達や塾の仲間とグループディスカッション練習をしたり、先生に面接指導をお願いしたりして、緊張せず自分の意見をはっきり述べる練習をしておきましょう 。面接そのものは点数化されませんが、意欲的で協調性のある姿勢を示すことで総合評価につながります。笑顔で挨拶する・相槌や頷きをしっかりする等、基本的なコミュニケーションにも気を配ってください。
以上の対策を計画的に行うことで、岡山大安寺中等教育学校の難しい入試に備えることができます。特に適性検査対策は独学が難しい面もあるため、信頼できる塾や家庭教師の指導を活用するのも一手です 。最新の傾向を把握しつつ基礎力を固め、記述練習と面接練習を重ねて自信を持って試験に臨みましょう。頑張ってください!