直近の合格者の内申点とボーダーライン
岡山一宮高校の合格者の内申点は非常に高水準です。中学校9教科の評定合計(各学年45点満点)で見ると、合格者の多くは39~40点程度を取っています。評定平均に換算するとオール4以上(4.3程度)で、主要5教科だけでなく副教科も含めてほぼ「5」か「4」が揃っている状態です。ボーダーラインの生徒でも、評定合計が30点台後半は確保している例が見られます。つまり、中学校での成績はオール3では厳しく、少なくとも半数以上の科目で「4」以上を取っていることが目安になります。
合格ラインとなる学力試験の得点については、内申点との兼ね合いで決まりますが、合格者の入試当日点(5教科・350点満点)は250~300点前後の層が中心です。得点率にすると7割台後半(70~85%程度)を確保している生徒が多く、7割程度がボーダーラインとの声もあります。内申点がしっかり取れている場合でも、当日5教科で7割以上の得点を目標にしておくと安全圏と言えます。
一般入試と推薦入試の基準の違い
岡山県立高校の入試には、大きく分けて一般入学者選抜(一般入試)と特別入学者選抜(推薦入試)があります。岡山一宮高校の場合、普通科は基本的に一般入試のみで選考され、理数科は定員80人のうち半数の40人を特別入学者選抜で募集しています。推薦入試(特別入学者選抜)は毎年2月上旬に実施され、学力検査(筆記試験)と面接等が課されます(令和7年度は2月5日に筆記・面接を実施)。特別入試への出願には中学校からの推薦(調査書)が必要で、特に理数科では数学・理科への適性や中学校での成績が重視されます。推薦入試は募集枠が少ない分競争率が高くなりやすいのが特徴で、岡山一宮高校理数科では直近の推薦入試倍率が2.8倍(2025年度)~3.8倍(2024年度)と非常に高い水準です。一方、一般入試は3月上旬に5教科の筆記試験と調査書(内申点)等で総合判定され、全員が受験可能です(推薦不合格者も一般入試で再挑戦できます)。総じて、推薦入試は内申点や適性を重視しつつ少人数を選抜し、一般入試は当日の学力試験と内申点を併せて判断する仕組みになっています。
倍率(競争率)の推移
岡山一宮高校普通科・理数科(一般入試)の志願倍率はここ数年おおむね1倍台前半で推移しています。具体的には、令和4年度(2022年春入学)の一般入試志願倍率は約1.29倍、令和5年度(2023年)では約1.36倍とやや上昇しました。その後、令和6年度(2024年)には約1.23倍と低下し、最新の令和7年度(2025年)入試では約1.14倍とさらにやや緩和しています。このように応募者数自体は定員を少し上回る程度で推移しており、近年は倍率が徐々に落ち着きつつある傾向です。ただし毎年1倍は超えているため油断はできず、年度によっては1.3倍前後まで上がることもある点に注意が必要です。また、理数科の推薦入試は前述のとおり倍率が2~3倍台と高く、人気と難易度が非常に高いです。志願動向は年によって変動しますが、基本的に岡山一宮高校は岡山市内でも人気・難関校の一つであり、高い競争率を維持しています。
内申点が足りない場合の対策や勉強法
内申点が不足気味の場合は、早めに対策を講じることが重要です。岡山県公立高校入試は内申点の比重が大きく、「ほぼ内申点で合否が決まる」とも言われるほどです。そのため、中学在学中であれば定期テストや提出物で少しでも評定を上げる努力をしましょう。特に岡山県の内申計算では中3の副教科(音楽・美術・保体・技家)の評定が3倍、主要5教科が2倍に換算されるため、苦手な実技教科も軽視できません。日頃から授業態度や課題提出を確実に行い、わからない内容は先生に質問して定期テストでの得点アップを狙うなど、オール4・5に近づける努力が必要です。
とはいえ、内申点は直前で急に伸ばすことが難しい面もあります。その場合は入試当日の学力試験対策で挽回できるよう全力を尽くしましょう(ただし逆転合格は「非常に難しい」という指摘があります)。具体的な勉強法としては、まず岡山県の過去問演習を徹底することが挙げられます。過去の入試問題を解くことで傾向や難易度に慣れることができ、最低3年分、可能なら5年分程度の過去問演習が推奨されています。過去問演習では時間配分の練習をするとともに、間違えた問題を分析して弱点分野を補強しましょう。また、模擬試験や岡山県の「自己診断テスト」などを活用し、目標点とのギャップを把握しておくことも大切です。英単語や漢字などの暗記分野は直前期まで継続し、理社の一問一答も頻出事項を総ざらいして確実に得点できるようにしておきます。
加えて、入試直前には体調管理や面接対策も怠らないようにしましょう。一般入試でも面接が課される高校がありますので(岡山一宮高校も簡単な面接があります)、志望動機や中学校で頑張ったことを自分の言葉で話せるよう準備しておくと安心です。
内申点がやや足りなくても、当日試験で高得点を取ることや面接で熱意を伝えることで合格を勝ち取った例もあります。最後まで諦めず、できる対策を積み重ねて挑んでください。もしどうしても内申点が追いつかない場合は、併願校(私立や他の公立高校)もしっかり確保しつつ、第一志望合格に向けてベストを尽くしましょう。幸運を祈ります。