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岡山城東高校の「国際教養」ってどんなコース?特色と難易度を解説

コースのカリキュラム・授業内容

岡山城東高校の国際教養コース(正式には「普通科(国際教養学類)」)は、2年次から本格的に専門分野の学習が始まる単位制課程です。1年次は全員共通のカリキュラムを履修し、2年次に人文社会・国際教養・音楽・理数の4学類のいずれかに分かれて専門科目を学びます。

国際教養学類の特徴: 世界的な視野で物事を考え、国際社会で活躍できる人材の育成を目指すコースです。思考力・判断力・表現力を磨き、様々なテーマについて英語で論じるスキルを身につけることに重点がおかれています。具体的な科目には、英語以外にフランス語やドイツ語、異文化理解、時事英語などが含まれており、外国語や外国文化について幅広く学べます。英語の授業では3年間常に外国人教師から指導を受けることができ、語学力を磨く環境が整っています。

英語教育・留学プログラムの特色

国際教養コースでは英語力と国際感覚を養うため、校内外で多彩なプログラムが用意されています。以下に主な特色を挙げます。

  • 英語劇や英語合宿: 文化祭で英語劇を上演する伝統があり、生徒たちが英語で演劇に挑戦します。また英語の集中合宿(イングリッシュキャンプ)も実施されており、ネイティブ教員の指導の下で英語漬けの研修を行います。これらを通じて実践的な英語力と表現力を養います。
  • 海外語学研修(1年次): 希望者は高校1年次に約2週間(15日間)の海外研修プログラムに参加できます。研修先はカナダ(バンクーバーオーストラリア(ブリスベンで、現地でホームステイをしながら少人数制の英語クラスで学んだり、大学や高校を訪問したりといった貴重な体験ができます。
  • 学類研修(2年次修学旅行): 高校2年次には学類別研修として国際教養学類の全員で海外研修旅行を行います。令和元年度(2019年)実績では韓国を訪れ、現地の高校との交流や大学生とのディスカッション、博物館見学などを行いました。同様に他学類の生徒もマレーシア等への海外研修に参加しており、国際教養コースの生徒は全員が海外での学びを経験できます。
  • 姉妹校交流: 韓国の慶南外国語高等学校、金海外国語高等学校と姉妹校提携を結んでおり、毎年相互交流を実施しています。秋には韓国の高校生が岡山を訪れて城東高校の生徒宅にホームステイし、一緒に授業や交流会に参加します。また城東側も2年次の学類研修時に姉妹校を訪問し、現地の高校の寮に宿泊して授業に参加する交流を行っています。さらに日常的にオンラインで海外の高校生と交流する機会も設けられています。
  • 留学生の受け入れと派遣: 校内には長期留学生の受け入れ制度もあり、平成30~令和元年にかけてドイツ人高校生の受け入れ実績があります。逆に城東高校の生徒が海外留学する例もあり、実際に3年次にニュージーランドの高校へ約10か月間留学した生徒もいます。こうした留学制度により、日本にいながら異文化体験をしたり、希望者は在学中に海外留学を経験したりすることが可能です。

入試形式と英語資格(英検)の要件

岡山城東高校の国際教養コースへの入学者選抜は、特別入学者選抜(いわゆる推薦・特色入試に相当)として行われます。募集定員は30名で、毎年1~2月頃に一般入試とは別日程で実施されています。

試験科目・内容: 特別入試では学力検査として国語・数学・英語の3教科が課されます(各70点満点)。英語にはリスニングテストが含まれ、聞き取った内容に基づいて答える問題も出題されます。さらに面接試験(主に個人面接)がおこなわれ、加えて小論文・実技・口頭試問の中から国際教養分野に適した課題が実施されます。実技課題の一例として、英語での質疑応答やリスニング内容に基づく英語エッセイ作成など、読む・聞く・話す・書くの4技能を総合的に見る試験が行われています。実際、ある年の特別入試では「1分程度の英語音声を聞いて内容について80語以上の英文で記述する」問題や、英語での口頭試問が課されたとの報告があります。

➡特別入試実技試験の過去問は岡山城東高校の公式HPにあります。

英語資格(英検等)の優遇措置: 国際教養コースの特別入試では、英語力に秀でた生徒を積極的に受け入れるための制度があります。具体的には「英検2級以上に合格」している(またはそれと同等の英語実績がある)受験生について、学力検査の結果が一定水準以上であれば約5名程度を英語実績重視で合格とする枠が設けられています。したがって英検などの資格取得は必須ではありませんが有利に働く可能性があります。
※なお帰国生徒対象の入試も別途あります。
一般入試(5教科の筆記試験)で国際教養学類に入ることは基本的に想定されておらず、同コース志望者は特別入試での合格を目指す形になります。万一特別入試で不合格だった場合は、一般入試で岡山城東高校の普通科(人文社会など他学類)を再受験する道もあります。

入試難易度・合格ライン

岡山城東高校自体が県内有数の進学校ですが、国際教養コースは募集人数が少ない分競争率が高い傾向にあります。平成31年度(2019年)の国際教養分野特別入試の競争倍率は3.33倍、平成30年度でも2.40倍と高倍率でした。近年も令和7年度で2.10倍と毎年2~3倍程度の志願倍率となっており、狭き門です。

学力的な難易度も県内トップクラスで、合格の目安偏差値は65~66程度とされています 。岡山県内で最難関の岡山朝日高校(普通科)に次ぐレベルであり、同校普通科(人文社会学類など)の目安偏差値65と比べてもわずかに高い数値です。
岡山県内の高校偏差値ランキングはこちらの記事でまとめています。
実際の合格ボーダーライン(特別入試の学力検査得点目安)も約280点/350点満点とされ、普通科一般入試のボーダー約275点を上回るとの情報があります。これは5教科換算に近い難度で、特に英語を含む3教科で8割得点を目指す必要があることを意味します。言い換えれば、中学校内申(評定)も含めた総合点で上位層に入る学力が求められるコースです。

卒業生の進学実績

国際教養コースを含む岡山城東高校の卒業生は、毎年多くが大学へ進学しています。同校は難関大学合格者を多数輩出する進学校として知られており、現役で国公立大学や有名私立大学に進む学生が多いです。具体的な合格実績の一例として、岡山大学大阪大学神戸大学といった国立大学、同志社大学立命館大学など関西の有力私立大学への合格者が報告されています。地元岡山の私立大(就実大、岡山理科大ノートルダム清心女子大 等)に進む生徒もおり、文系理系問わず幅広い分野に進学実績があります。国際教養コースの生徒だから特別に海外大学へ行く例が多いわけではありませんが、在学中の留学経験や語学力を活かして大学で国際関係を学ぶなど、その後の進路の幅も広がっています。

合格の可能性を高めるために準備しておくこと

国際教養コース合格に向けて、中学生の段階で以下のポイントに取り組むと効果的です。

  • 英検2級程度の英語資格取得: 前述の通り英検2級以上を持っていると選考で有利になる可能性があります ( )。早めに英語力を磨き、中学卒業までに2級(もしくは準2級以上)取得を目指しておくと良いでしょう。英検対策を通じて英作文や面接の練習にもなります。
  • 英語の「聞く・話す・書く」力強化: 特別入試では英語での面接や英作文が課されます。授業の英語に加えて、英語のスピーチやディベートに挑戦したり、時事問題について英語で自分の意見を書いてみたりする練習が有効です。ネイティブの音声を聞き取り要旨をまとめる訓練や、自分の考えを80~100語程度の英語で書く練習もしておくと、本番で落ち着いて対応できるでしょう。
  • 中学校の全教科で高い成績を維持: 国際教養コースの選抜では3年間の内申点(調査書点)も重視され、満点200点中どの程度かが合否に影響します。特に英語は重要ですが、数学・国語を含む他の教科もバランスよく学習し、評定4以上をキープすることが望ましいです。学力検査でも国語・数学を含む3教科で高得点が必要になるため、偏りなく基礎学力を固めておきましょう。
  • 国際的な話題への関心・表現力を養う: コースの目標が「世界の問題を考え英語で論じる力」を養うことにあるため、日頃からニュースや社会問題に目を向け、自分の意見を持つ習慣をつけましょう。その上でそれを英語で説明する練習をしておくと、面接や小論文でアピールできます。実際の入試でも異文化交流や学校生活に関するテーマが出題されています。身近な話題から国際問題まで関心の幅を広げておくことが大切です。
  • 学校説明会やオープンスクールへの参加: 岡山城東高校が実施する説明会や体験入学に参加して学校の雰囲気や求める生徒像を知っておきましょう。先輩や先生から直接アドバイスをもらえる機会ですし、志望動機を明確にする助けにもなります。面接で「なぜ国際教養コースを志望するのか」を聞かれた際にも具体的に答えられるようになります。

以上の準備を計画的に行うことで、岡山城東高校国際教養コース合格の可能性を高めることができます。最新の入試情報は学校公式サイト等で公開されますので、必ず確認しつつ対策を進めてください。