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内申点の仕組みと高校受験への影響|岡山県の評価方法

公立高校入試では、中学校での成績を点数化した「内申点」が合否に大きく関わります。特に岡山県では、中学1年から3年まで3年間の成績が評価対象となる独特の内申点制度があります。本記事では、内申点とは何か、岡山県内申点制度の特徴、高校受験での内申点の重要性、そして内申点をアップするための具体的な方法について、中学生と保護者の方にわかりやすく解説します。

内申点とは?調査書に記載される中学校の成績

内申点(調査書点)とは、中学校3年間の総合的な成績を点数で表したものです。具体的には、国語・数学・英語・理科・社会の5教科と、音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科を合わせた9教科の成績(評定)をもとに算出されます。各教科は5段階(5が最高)で評価され、その評定が内申書(調査書)という書類に記載されて高校に提出されます。調査書には成績以外にも出欠状況や部活動など中学校での活動記録も載っています。

評定の付け方は全国共通の基準に沿っており、各教科について以下の3つの観点で評価されます:

  • 「知識・技能」: 各教科で身につけた知識や技能の習熟度。主に定期テストや小テストの点数が評価対象です。

  • 「思考力・判断力・表現力」: 知識や技能を活用して考え、判断し、自分の考えを表現する力。レポートの内容や発表・話し合いへの取り組み方などが評価されます。

  • 「主体的に学習に取り組む態度」: 自ら粘り強く学ぼうとする姿勢。授業中の発言や行動、提出物の管理などが評価対象です。例えば宿題を期限通り出す、わからないことを質問する、一方で私語や居眠り・忘れ物が多いと評価が下がる原因になります。

このように、内申点テストの点数だけでなく、授業での態度や提出物など日頃の取り組みも含めた総合評価となっています。5段階評定それ自体は各中学校で定めた基準に基づく絶対評価で行われ、学年やクラス内で何割が「5」になるといった相対的な決まりはありません(学校によって評定の分布は異なります)。

岡山県特有の内申点制度の仕組み

岡山県内申点制度の特徴は、中学1年・2年・3年それぞれの成績をすべて合算し、高校入試で活用する点にあります。他県では中3の成績のみを評価するところもありますが、岡山県では「中1からの3年間の頑張り」を評価に含める仕組みです。これは2016年度入試から導入された制度で、「中3になってから頑張ればいい」という油断を防ぎ、中1から着実に努力した生徒が報われるようにする狙いがあります。言い換えれば、中学入学直後から内申点は積み上がっていくため早い段階から意識しておくことが大切です。

内申点の計算方法(満点200点)岡山県独自の配点になっています。内訳は以下の通りです。

  • 中学1年:9教科の評定の合計(満点45点)

  • 中学2年:9教科の評定の合計(満点45点)

  • 中学3年:評定に重み付けがされ、主要5教科(国・数・英・理・社)は評定合計を2倍、実技4教科(音・美・保体・技家)は評定合計を3倍して計算(満点110点)

例えば中学3年でオール5を取った場合、主要5教科は5科×5点×2倍=50点、実技4教科は4科×5点×3倍=60点となり、中3だけで110点満点となります。中1・中2もオール5なら各45点ずつで、3年間合計は最大200点になります。逆に言えば、中3の実技4教科の評定1が内部点では3点分、主要5教科の評定1が2点分に相当するため、実技教科の評価が内申点に与える影響は非常に大きいです。

岡山県のこの方式では、音楽や美術なども含めすべての教科をバランス良く頑張ることが求められます。日頃から苦手科目を放置せず、実技4教科も軽視しないようにしましょう。

なお、調査書には学業成績以外に特別活動(生徒会や委員会活動)、部活動での成果なども記録されます。一般入試の内申点(200点)は基本的に教科の評定のみで算出されますが、学校によってはこうした活動も評価に加えるケースがあるとも言われています。大きな大会での表彰や生徒会長などの経歴は推薦入試等で有利になる場合もあります。いずれにせよ、クラブや委員会に真剣に取り組む姿勢は教師からの評価を高め、内申書全体で好印象を与えるポイントと言えるでしょう。

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高校受験での内申点の重要性

岡山県公立高校の一般入試の合否判定では、学力検査(当日の筆記試験)と内申点の両方が重視されます。具体的には、当日の学力検査5教科が各70点満点の計350点、内申点が200点満点で、合計550点満点で比較されます。このうち内申点が占める割合は約36%(4割弱)にも及びます。言い換えれば、内申点だけで入試総点の約1/3以上を占める計算になり、極めて無視できないウェイトです。

このため、内申点が合否に与える影響は非常に大きいです。例えば、試験の点数が同程度であれば、内申点の高い生徒の方が総合点で上回り合格に近づきます。極端なケースでは、「学力試験で合格ラインの点数を取っていたのに、内申点が低く志望校に受からなかった」という事例も実際にあります。地元の学習塾関係者も「内申点=合格の必須条件と言える」と指摘するほどです。

また、内申点は一朝一夕には上がらないため、中3になってから挽回するのは容易ではありません岡山県では中1・中2の成績も含まれるため、「中3でいい成績を取れば大丈夫」と考えていると志望校を逃しかねないとされています。実際、多くの中学校では中学1年のうちから進路学習の時間などで内申点の仕組みや大切さを説明し、早期から意識させているそうです。

以上のことから、高校受験で志望校に合格するためには、日頃から内申点を意識して3年間を通して努力を積み重ねることが重要です。内申点が高ければ当日の試験で多少失敗してもカバーできますし、逆に内申点が低いと試験で満点近く取るくらいの挽回が必要になる場合もあります。受験直前の学力だけでなく、普段の学校生活の頑張りがしっかり評価されるのが岡山県の入試制度なのです。

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内申点をアップするための具体的な方法

内申点を上げるためには、「勉強だけ」「態度だけ」では不十分で、学習面と生活面の双方でバランス良く努力することが大切です。ここでは、岡山県の中学生が内申点アップのために意識すべきポイントをいくつか紹介します。

  • 評価の観点を知りバランスよく取り組む: 前述したように内申点は「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学習態度」の3観点で評価されます。つまり、テストで良い点を取ることだけでなく、積極的な発言や提出物管理など日々の姿勢も評価に直結します。まずはこの仕組みを理解し、勉強と授業態度の両方に計画的に取り組みましょう。

  • 定期テストで高得点を目指そう: 内申点アップでもっとも重要なのは定期テストの成績を上げることです。定期テストの点数はそのまま評定(「知識・技能」の評価)に反映されるため、1点でも多く取れば内申点に直結します。テスト前は計画的に勉強時間を確保し、余裕をもって準備しましょう。保護者の方も、テスト勉強の計画づくりや学習環境の整備、モチベーションアップをサポートすると効果的です。

  • 実技4教科も疎かにしない: 岡山県では中3の実技4教科(音楽・美術・保体・技術家庭)の評定は3倍で計算されるため、ここを上げると内申点が大きく伸びます。例えば中3で音楽の評定が1上がると内申点は「3点」上昇します(主要5教科なら2点)。この差は見逃せません。苦手な実技科目も投げずに取り組み、作品制作や技能テストで少しでも良い評価がもらえるよう努力しましょう。授業への積極参加や提出物の丁寧さも実技科目では評価につながります。

  • 小テストや日々の学習を大事に: 漢字テストや英単語テスト、計算ドリルなどの小テストもしっかり取り組みましょう。小テストの点は日々の学習成果として評定に反映される重要な要素です。こまめな予習復習で基礎力をつけ、毎回の小テストで良い点数を積み重ねれば、先生からの学習態度・努力の評価も上がります。保護者の方は家庭で復習の声かけをしたり、テスト結果を一緒にチェックして弱点補強を促すとよいでしょう。

  • 授業に積極参加し良い態度をキープ: 授業中の態度は「主体的に学習に取り組む態度」の評価に直結するため、内申点対策として非常に重要です。発言や質問を積極的に行い、グループ討論でもしっかり意見を述べるよう心がけましょう。例えばわからない所をそのままにせず質問する、先生の話にうなずきながら聞く、友達の発表にも真剣に耳を傾けるといった姿勢は好印象です。逆にあくびをしたり私語ばかりしているとマイナス評価になります。日頃から明るく前向きな態度で授業に臨めば、先生からの評価も自然と高まるでしょう。

  • 宿題や提出物は期限厳守で必ず提出: ワークやプリントなど提出物をきちんと出すこと内申点アップの基本です。期限に遅れたり未提出のままだと、その内容が評価してもらえず成績が下がる可能性があります。提出物は評定の「主体的な態度」の重要な要素です。忙しくても計画的に宿題に取り組み、締切を守りましょう。保護者の方も提出期限をカレンダーに書いてリマインドする、終わっているか声をかけるなどサポートすると安心です。期限を守り丁寧に仕上げた提出物は、内申点でプラス評価につながります。

  • 忘れ物ゼロを心がける: 忘れ物をしない習慣も大切です。どんなにテストの点数が良くても、日常的に忘れ物が多いとマイナス評価となり内申点が下がってしまいます。特に実技4教科では体操服や楽器、美術道具、家庭科の裁縫セットなど道具を忘れると授業に参加できず評価が下がる原因になります。毎日登校前に持ち物チェックをする、時間割を見て前夜に準備するなどして防ぎましょう。保護者の方もチェックリスト作りや声かけでサポートし、忘れ物ゼロを目指してください。小さなことですが、積み重ねれば信頼につながり内申点向上に寄与します。

  • 部活動・特別活動にも一生懸命取り組む: 勉強だけでなく部活動や委員会、生徒会などの活動も手を抜かずにがんばりましょう。こうした課外活動そのものが直接内申点に加算されるわけではありませんが、日々の部活で培った協調性や責任感、リーダーシップは評定の「態度」面で良い影響を与えます。また、部活での大会成績や生徒会での役職などは調査書に記載され、高校によっては参考にされたり評価の対象となることもあります。何より、勉強と両立して3年間続けた経験は自信となり、面接などでアピールできる強みになります。文武両道で頑張る姿勢を持つことが大切です。


中学校の内申点は、高校入試の合否を左右する重要な指標です。岡山県では3年間の努力が数字に反映される仕組みになっているため、早い段階からコツコツ積み重ねることが肝心です。日々の授業や学校生活で今回紹介したポイントを意識して取り組めば、きっと内申点アップにつながるでしょう。内申点を味方につけて、自信を持って高校受験に臨んでください。頑張る皆さんを応援しています!

 

以下のサイトで岡山県方式の内申点の計算が可能です。

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